研究概要 |
(1)本研究で対象としているWebGISにおいては、サーバー側の統計解析エンジンとして、R/Apacheを利用することがよいことが確認できたことから、平成22年度末に公開した福岡県人口動態情報提供システムをR/Apacheを利用して全面的にコードを書き換える作業を行った。これまでも一部のコードはR/Apacheを利用していたが、R/Apacheに依存する部分を増やすことにより、システムのパフォーマンスが大きく向上することが期待される。これらの成果は平成24年度の秋頃にシステムに反映することを予定している。 (2)SVG(Scalable Vector Graphics)やCanvasによる対話的な統計グラフィックスについての研究を進める過程で、新たな手法を着想するに至った。これは平行座標プロットの応用であり、2時点で観測された空間データの値の変動に基づいて、空間のクラスタリングを行うための可視化手法である。期間の前半では、値の変動から特徴的な個体(地域)を抽出するための順位比較プロットについて研究を進め、国際会議(8月)で研究発表を行った。後半では、順位比較プロットについて、SVGによる実装を行い、さらに近年利用が進んでいる携帯端末上での利用も可能であることを確認した。これについても国際会議(12月)で研究発表を行った。現在、順位比較プロットと地図と組み合わせて空間クラスタリングを行うツールについての研究発表を国際会議で報告するべく準備を進めている。この研究での成果はWebGISへ組み込むことにより、当該分野の発展が望めるものである。 (3),(4)空間統計解析の高速化及びWebGISのツールキットの開発については、福岡県人口動態情報提供システムのバージョンアップ作業と共に平行して進めている。開発されたツールキットについては順次ウェブで公開する予定である。 (5)福岡県人口動態情報システムについては、(1)で述べたように随時、研究成果を組み込んでいる。
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