研究課題
我々はこれまでに、in vitroでM16メタロプロテアーゼnardilysin (NRDc)がαセクレターゼを活性化し、アミロイドβペプチド(Aβ)の産生を抑制することを明らかにした。今回、脳でのNRDc発現量が約3倍に増加しているNRDcトランスジェニックマウス(NRDc-Tg)と約半分に減少しているNRDcヘテロ欠損マウス(NRDc+/-)の作製に成功し、アルツハイマー病(Alzheimer's disease ; AD)モデルマウス(APPとプレセリニンのダブルトランスジェニックマウス:APP/PS1-Tg、以下APP-Tgと省略)との交配により、in vivoでのNRDc発現量とAD病態との関連を明らかにすることを目的に研究を行っている。APP-TgとNRDc-Tgを交配した子供であるAPP-TgとNRDc-Tg/APP-Tg(1年齢)の脳をAβ抗体で免疫染色したところ、APP-Tgに比べてNRDc-Tg/APP-Tgでは、有意にアミロイドプラークの減少が見られた。また、ELISA法により、脳中のAβ量を測定したところ、免疫染色の結果と同様の傾向が見られた。まだ、数が少ないため、引き続き解析を行う予定である。一方、APP-TgとNRDc+/-を交配した子供であるAPP-TgとAPP-Tg/NRDc+/-も順調に生まれてきており、1年齢になった時点で解析を行う予定である。
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Nat.Neurosci. 12
ページ: 1506-1513
http://kyoto-u-cardio.jp/kisokenkyu/sentan-bunshi/