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2010 年度 実績報告書

移動終了後の大脳皮質ニューロンにおける分化・成熟過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21700356
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

大石 康二  慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (80420818)

キーワード大脳皮質 / 層構造 / 発生・分化
研究概要

大脳皮質を構成するニューロンは神経系前駆細胞から誕生するが、層特異的なニューロンの分化は前駆細胞が最終分裂する時期におおよそ決定されるとの考えが現在まで広く受け入れられている。しかしながら我々は近年、大脳皮質第IV層への正常な分化が前駆細胞の時期ではなく、ニューロンが移動を終了した後に決定されることを強く示唆する結果を得ている。そこで本研究では、皮質第IV層のニューロンが、ニューロンの移動終了後、どのような機構によって皮質第IV層へ分化決定されるのかを明らかにすることを目的とした。
皮質第IV層のニューロンは視床からの投射を受ける細胞集団であるため、視床皮質投射線維と皮質第IV層ニューロンの分化について検討を行った。DCC遺伝子欠損マウスで視床皮質投射線維の欠損・低形成が報告されていたため、このマウスを解析したものの、視床皮質投射の低形成が観察されなかった。そこで、前年度に引き続き、この投射線維の欠損・低形成が報告されているOLPC遺伝子欠損マウス、Netrin1遺伝子欠損マウスの解析を行い、皮質第IV層ニューロンのマーカー分子であるRORbetaの発現量が低下するという知見を得た。また逆に、皮質第II/III層ニューロンのマーカーの発現量が上昇するという知見を得た。従って、視床皮質投射線維が皮質第IV層ニューロンの分化・成熟を制御する可能性が示唆された。
本研究から、視床皮質投射線維が皮質第IV層の正常な分化に必須であることが示唆された。この結果は同時に皮質第IV層の分化決定はニューロンが移動を終了した後に起こるという仮説を支持している。本研究の知見は、大脳皮質のニューロンの多様性を生み出す仕組みの理解に、重要な示唆を与えるものと考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 大脳皮質第IV層形成におけるProtocadherin20の機能解析2010

    • 著者名/発表者名
      大石康二
    • 学会等名
      第33回日本神経科学大会(Neuro2010)
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター(兵庫県)
    • 年月日
      20100902-20100904

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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