ヒト言語障害変異に対応する変異Foxp2(R552H)-ノックイン(KI)ホモマウスはプルキンエ細胞の発達異常とシナプス形成不全に関連する運動性障害を有する。本研究はFoxp2(R552H)-KIを用いて、USV(言語)障害の原因を探索する。また、小脳プルキンエ細胞に特異的にMycTagをつけた正常Foxp2[Foxp2-トランスジェニック(Tg)マウス]をFoxp2(R552H)-KIホモマウスのプルキンエ細胞に発現させ、言語障害、発育障害、運動障害、致死の回復を調べることで、小脳機能および機能相互間の関係を明らかにする。Foxp2(R552H)-KIマウスとFoxp2-Tgマウスと交配させたハイブリッドマウス、正常マウス、Foxp2(R552H)-KIマウスについてハイブリッドマウスのUSV、行動機能、致死の回避などを解析した。その結果、ホモ仔マウスは、親マウスから乳をもらえないことによる餓死を防ぐことはできなかったものの、USV障害についてはヘテロマウスおよびホモマウスでUSVの回復が認められた。
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