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2010 年度 実績報告書

脳梁と視床-皮質神経回路形成におけるDraxinシグナルの役割

研究課題

研究課題/領域番号 21700382
研究機関熊本大学

研究代表者

新明 洋平  熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (00418831)

キーワードdraxin / 反撥活性 / 脳梁 / 視床皮質神経
研究概要

本研究の目的は、我々が発見した新規ガイダンス分子であるdraxinに着目し、非常に複雑な脳神経回路の形成メカニズムの一端を明らかにする事である。本研究では、draxinがユニークな役割を果たすと考えられる視床皮質軸索投射に着目した。視床皮質軸索と皮質視床軸索は内包で直接的に相互作用し、最終的な標的にお互いをガイドする。パイオニア軸索を発するサブプレート神経が視床皮質軸索投射に必須であることが明らかにされているが、その過程に関わるガイダンス分子は報告されていない。我々は、draxinの機能に関して以下の事を明らかにした。1)draxfnノックアウトマウスの視床皮質軸索は内包までは到達するが、その後大脳新皮質に投射されず、一部は外包に異常に投射する。2)draxinはサブプレート神経を含む大脳新皮質に強く発現する。3)draxin-Alkaline Phosphatase (AP)タンパク質は視床皮質軸索に結合する事から、視床皮質神経細胞にdraxin受容体が発現すると考えられる。さらに、draxinは視床組織片からの神経突起に結合し、その伸長を阻害する。4)draxinノックアウトマウスにおけるサブプレート神経の形成は正常である。
以上の結果から、サブプレート神経を含む大脳新皮質から分泌されるdraxinが視床皮質軸索の内包から大脳新皮質への投射に必須のガイダンス分子であると考えられた。今後、大脳新皮質特異的なdraxinコンディショナルノックアウトマウスを作製して、この仮説を検証したい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Olfactory bulb axonal outgrowth is inhibited by draxin.2010

    • 著者名/発表者名
      Ahmed Giasuddin
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun

      巻: 398(4) ページ: 730-734

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Draxin is involved in the proper development of the dI3 interneuron in chick spinal cord.2010

    • 著者名/発表者名
      Su Yuhong
    • 雑誌名

      Dev Dyn

      巻: 239(6) ページ: 1654-1663

    • 査読あり
  • [学会発表] Draxin is essential for the guidance of thalamocortical projections2010

    • 著者名/発表者名
      新明洋平
    • 学会等名
      第43回日本発生生物学会年会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      20100621-20100622

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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