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2009 年度 実績報告書

統合失調症患者特異的抗原から探る異常スプライシング

研究課題

研究課題/領域番号 21700385
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

眞部 孝幸  藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 講師 (90382283)

キーワード統合失調症 / リンパ芽球 / スクリーニング
研究概要

まず初めに、我々の用いた患者リンパ芽球様細胞株の特徴を詳細に解析した。その結果、末梢リンパ血中の成分比率とは異なり、目的のBリンパ球様細胞の割合が非常に少なく、10%を割っていることが明らかとなった。従って、患者リンパ芽球様細胞株そのままをクローン化したのでは、非常に効率の悪い結果を招く恐れがあったため、Bリンパ球に対する特異的抗体である抗CD20抗体を吸着させたマグネティックビーズを用いて粗精製を行いその吸着画分中の細胞について、それぞれクローン化を行った。各クローンからゲノムDNAおよび、蛋白質抽出液を調整した。蛋白質抽出液について、B細胞マーカーCD20でウエスタンブロットを行うと、精製前に比べて効率よくB細胞クローンが得られた。次に軽鎖ラムダ鎖のJ1,J2,J3,J7について、ゲノムの組み換えが起った時のみそれぞれを特異的にアンプリファイできるプライマーを設定し、それぞれのクローンのゲノムDNAをテンプレートに、PCRを行い、アガロースゲル電気泳動を行った。この時、各サンプルはJ1-3,7のいずれかのプライマーでのみ増幅され、バンドが検出されないものは他のリンパ球成分(あるいは一部は血球成分)、二個以上のプライマーで増幅されるものはコンタミネーションであることを想定している。スクリーニングの結果、まず、統合失調症ではB細胞の割合が正常人に比べ少ない可能性が示唆された。
次にJ1-3,7のそれぞれが組み換えに選択される割合を検討した結果、正常人では若干のばらつきはあるもののほぼ均等に選択されていたのに対して、統合失調症患者では、J1,2が正常人よりも少なくJ3,7が多いことが明らかとなった。これらの結果は、B細胞数の違いを換算しても同様であった。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] The expression of HMGA1a is increased in lymphoblastoid cell lines from Schizophrenia patients2010

    • 著者名/発表者名
      Morikawa T., Manabe T., Ito Y., Yamada S., Yoshimi A., Nagai T., Ozaki N., Mayeda A.
    • 雑誌名

      Neurochem.Int. (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Transient activation of Notch signaling in the injured adult brain2010

    • 著者名/発表者名
      Tatsumi K., Okuda H., Makinodan M., Yamauchi T., Makinodan E., Matsuyoshi H., Manabe T., Wanaka A.
    • 雑誌名

      J.Chem.Neuroanat. 39

      ページ: 15-19

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The HMGA1a recognition candidate DNA sequences inhuman2009

    • 著者名/発表者名
      Manabe T., Katayama T., Tohyama M.
    • 雑誌名

      PLoS One. 4

      ページ: E8004

    • 査読あり
  • [学会発表] 統合失調症患者におけるhnRNP A1による異常スプライシング2009

    • 著者名/発表者名
      眞部孝幸、前田明
    • 学会等名
      第32回分子生物学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-12-10
  • [学会発表] 統合失調症と異常スプライシング2009

    • 著者名/発表者名
      眞部孝幸、前田明
    • 学会等名
      第69回日本解剖学会中部支部大会
    • 発表場所
      浜松
    • 年月日
      2009-10-10
  • [学会発表] 腸管神経堤細胞の移動様式2009

    • 著者名/発表者名
      榎本秀樹、西山千尋、眞部考幸、Heather Young、Don Newgreen.
    • 学会等名
      第32回日本神経科学大会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2009-09-18
  • [学会発表] 統合失調症の異常スプライシングにグローバルなスプライシング抑制因子であるhnRNP A1が関与している可能性を探る2009

    • 著者名/発表者名
      眞部孝幸、前田明
    • 学会等名
      第11回日本RNA学会
    • 発表場所
      新潟
    • 年月日
      2009-07-28
  • [図書] Methods Mol.Biol.2010

    • 著者名/発表者名
      Manabe T., Wanaka A.
    • 出版者
      Regulation and/or Repression of Cholinergic Differentiation of Murine Embryonic Stem Cells using RNAi Against Transcription Factor L3/Lhx8(印刷中)
  • [図書] Protein, Nucleic Acid, Enzyme.2009

    • 著者名/発表者名
      Mayeda A., Manabe T., Ohe K.
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      Oncogenic HMGA1a protein causes Sporadic Alzheimer's disease-associated aberrant splicing : The molecular mechanism reveals a link with U1 snRNP-mediated gene repression system

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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