研究概要 |
本研究課題は、統合失調症患者由来リンパ芽球様細胞株を用いて、抗体作成様式の違いを検討するにとを目的としている。その方法として、抗体産生細胞Bリンパ球のイムノグロブリン軽鎖遺伝子のゲノムの組み換え様式を比較することを提案した。昨年度までに、我々のリンパ芽球様細胞株は末梢リンパ血中の成分比率とは異なり、目的のBリンパ球様細胞の割合が非常に少なく10%を割っていること、患者リンパ芽球様細胞株そのままをクローン化したのでは、非常に効率の悪い結果招く事などを明らかにした。そこでBリンパ球を効率よく集めて、それらについてクローン化を行った。これらの一部を用いて試験的に軽鎖ラムダ鎖のJ1,J2,J3,J7について、ゲノムの組み換えが起った時のみそれぞれを特異的に検出できる方法を設定しスクリーニングした結果、まず、統合失調症ではB細胞の割合が正常人に比べ少ないこと、J1-3,7に関しては、正常人ではほぼ均等に選択されていたこと、統合失調症患者では、J1,22正常人よりも少なくJ3,7が多いことなどを報告した。これら昨年の呼び検討により、設定した系が正しく動くことを確認できたので、全て正常および患者サンプルをそれぞれ24~60のクローンに分ける作業およびそれらクローンを増殖させてストックをとり、ゲノムの抽出を行った。今後は、これらゲノムサンプルについて昨年度設定した条件で一斉にスクリーニングを行っていく。
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