研究概要 |
本研究はパーキンソン病の原因遺伝子産物αシヌクレイン(αS)の修飾系であるO結合型糖化αシヌクレインの生化学的解析を主目的とした研究である。ヒト剖検脳よりレクチンカラム、αS抗体カラムを用いてO結合型糖化αSを精製した。 1)糖鎖の解析、糖鎖結合部位の同定共同研究者のAnne Dell, Imperial CollegeらによりMALDI-MSとES-MS fingerprintingによってトリプシン切断したO結合型糖化αSを解析した。Q-TOF MS data positive modeでは402.2m/z, 530.2m/z, 590.8m/z, 476.3m/z, 762.9m/z, 648.3m/z, 1079.1m/z, 964.5m/z, 739.2m/z, 2159.9m/zのペプチド断片が得られた。MALDI-TOF MS data negative linear modeでは402.0m/z, 1060.2m/z, 1181.4m/z, 951.5m/z, 1525.9m/z, 1296.5m/z, 2159.0m/z, 1479.9m/z, 4322.6m/zのペプチド断片が得られた。現時点でNeuNAc α HexHexNAc αまたはHexHexNAc αが複数のセリン、スレオニン残基に結合していることが判明した。修飾部位はαSの中間部が主に修飾されていた。 2)In vitroでの多量体凝集実験in vitroではO-結合型糖化αSはαSに比し4量体以上の多量体を形成しにくい傾向にあった。3)O-結合型糖化αS特異的抗体作成抗体作成のために糖化ペプチドの作成を開始した。
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