研究課題
パーキンソン病の原因遺伝子α-シヌクレイン(αS)の新規修飾形であるO-結合型糖化αSを解析した。1)O-結合型糖化αSの精製各研究に用いるO-結合型糖化αSをagaricus bisporus lectinカラム、抗αS抗体カラムを用いて凍結ヒト剖検脳より精製した。50g凍結脳より50^-100ng精製度95%以上のO-結合型糖化αSが精製可能であった。2)糖鎖の解析、糖鎖結合部位の同定この課題は本研究の最も重要な課題である。酵素学的な手法によりαSのSer/ThrにNeuNAcα2-3Gal β1-3GalNAc α1-Ser/Thrが結合していることが判明した。さらに共同研究者のDr Anne Dell Imperial Collegeの研究グループによりαS 33Thr,44Thr,54ThrにNeuNAc α2-3Gal β1-3GalNAc α1が結合していることが質量分析法により明らかになった。3)In vitroでの多量体凝集実験現在αSは多量体の細胞毒性が最も強いと考えられておりαS多量体形成機序について多数報告がなされている。αSを対照とし様々な濃度でのO-結合型糖化αSの多量体形成能、凝集能を検討した。O-結合型糖化αSは非修飾型αSに比べ多量体、凝集体を形成しに難い傾向にあった。さらに両者を同時に反応させると0-結合型糖化αSは非修飾型αSの凝集体形成を抑制した。
すべて 2010
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J Cereb Blood Flow Metab
巻: 30 ページ: 299-310
J Stroke Cerebrovasc Dis.