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2010 年度 実績報告書

シナプス・タグ形成機構の生理学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 21700405
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

石川 保幸  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (90346320)

キーワードシナプス・タグ / ニューロプシン / 神経可塑性 / LTP / LTD / 海馬 / 記憶・学習
研究概要

ニューロンは長い軸索と樹状突起をもち、突起にあるタンパク質はその合成の場である細胞体から供給されます。こうした他の細胞には見られないニューロンだけの特徴が、様々な現象とこれまでの知識の間においてパラドックスを生じさせます。例えば、記憶のモデルとされている長期増強(LTP)には、新規タンパク質合成が働くと長期間増強効果が持続し(late-LTP)、新規タンパク質合成が働かないと短期のLTP(early-LTP)として60-90min程度で増強現象はなくなってしまいます。新規に合成されたタンパク質は、どのようにしてもたらされるのかが、大きな焦点となってきました。特に、late-association(後期連関)という現象がこれまで既存のモデルでは説明出来ませんでした。そうしたなかFreyとMorrisは海馬スライスを用いた実験により後期連関可塑性を説明出来るモデルを提唱致しました。シナプスタグ仮説です。活動依存的にシナプスレベルで活動履歴の目印として『シナプス・タグ』が形成されるのではないかと提唱しました。しかしながら、そのシナプス・タグの実体は不明です。そこで、本研究は、シナプス・タグが存在することの証明を目的とした。今回、LTP特異的シナプスタグの形成機構の最初期過程に神経可塑性関連プロテアーゼ・ニューロプシンが深く関わっている事が明らかとなりました。また、そのニューロプシン・特異的シナプスタグ形成機構にはlntegrinB1やCaMKIIといったシグナル分子の関与も明らかとなった。一方、LTD特異的シナプスタグ形成機構にはニューロプシンは関与しない事が明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 新奇環境はシナプス可塑性に関与するプロテアーゼ、ニューロプシン(klk8)の遺伝子発現を高める2011

    • 著者名/発表者名
      金河大
    • 学会等名
      生理学会(第88)解剖学会(第116)合同
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(集会は中止し、Journal of Physiological Sciencesの誌上開催)
    • 年月日
      2011-03-28
  • [学会発表] chemicalLTP刺激によってシナプス膜に集積する分子のスクリーニング2011

    • 著者名/発表者名
      中村雪子
    • 学会等名
      生理学会(第88)解剖学会(第116)合同
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(集会は中止し、Journal of Physiological Sciencesの誌上開催)
    • 年月日
      2011-03-28
  • [学会発表] Neuropsin dependent synaptic tagging in mouse hippocampus2010

    • 著者名/発表者名
      石川保幸
    • 学会等名
      The Society for Neuroscience
    • 発表場所
      アメリカ・サンディエゴ
    • 年月日
      2010-11-17
  • [学会発表] ニューロプシン依存的シナプスタギングの解析2010

    • 著者名/発表者名
      石川保幸
    • 学会等名
      neuro2010(日本神経科学会・日本神経化学会合同)
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-09-04

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公開日: 2012-07-19  

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