• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

心の再生:生育環境が原因となる精神疾患の新規治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 21700406
研究機関鳥取大学

研究代表者

一坂 吏志  鳥取大学, 医学部, 助教 (50359874)

キーワード前頭眼窩野 / 分子 / 精神疾患 / 心の再生 / 環境 / 前頭前野
研究概要

生育環境が原因となる精神疾患において,幼少期の経験により形成された前頭眼窩野の神経回路が安定化し,消せないことが問題ではないかと考え,神経細胞形態の安定化に関わるRhoA/p-LIMK/p-Cofillin/DrebrinA経路の発達変化を調べ,前頭眼窩野では臨界期が知られておらず,成熟後でも逆転学習が可能なのは新たな神経回路の形成は成熟後でも可能であるからではないかと考え,神経細胞の形態変化(シナプス形成)を促進するErk2, p35/Cdk5の発達変化を調べ,臨界期研究の進んでいる一次視覚野と比較してきた。結果,形態変化促進分子は視覚野では臨界期に多く,成熟後に減少するが,前頭眼窩野では増加後成熟しても減少しないことや,形態安定化分子は視覚野,前頭眼窩野共に発達途中にもっとも低下していることを明らかとしている(低下時期は視覚野では臨界期の生後30日頃であるが,前頭眼窩野では生後40-50日頃)。さらに,Cdk5によりリン酸化され,形態変化に関わることが知られるp-CRMP2やp-Pak1については,いずれもCdk5とは異なり,生後10日齢に最も多いこと,また,p-Aktについても,生後10日に多く,p-ErkやCdk5とは異なる発達変化であることが明らかとなった。さらに,成熟期視覚野では海馬に比べ,DrebrinAが多く,小脳では少ないことも明らかとなり,視覚野では成熟後に神経回路の消去が難しいが,小脳では簡単であることが示唆されている。次に以上の結果を踏まえたうえで,母子分離によりストレス脆弱性を示すようになった成熟動物の前頭眼窩野に安定化に関わる分子の阻害剤を注入し,豊環境に置くことでストレス脆弱性を示すのかを調べるが,現在のところ,前頭眼窩野に試薬を注入するのに使用するカニューレを作製し終え,豊環境ケージを作製し,行動実験装置を準備しているところである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Activation of p38 mitogen-activated protein kinase is required for in vivo brain-derived neurotrophic factor production in the rat hippocampus.2009

    • 著者名/発表者名
      仙波りつ子
    • 雑誌名

      Neuroscience 163

      ページ: 352-361

    • 査読あり
  • [学会発表] Developmenta changes of signaling molecules that regulate neurite outgrowth and myelination in the rat orbitofrontal cortex and visual cortex.2009

    • 著者名/発表者名
      一坂吏志
    • 学会等名
      第32回日本神経科学大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • 年月日
      2009-09-17

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi