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2010 年度 実績報告書

前頭眼野と上丘の注視と視線制御に関わる神経基盤

研究課題

研究課題/領域番号 21700430
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

伊澤 佳子  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (40372453)

キーワード前頭眼野 / 上丘 / サッケード / 注視 / オムニポーズニューロン
研究概要

我々が何かに注意(attention)を払ってそれをじっと見つめている(注視)時には、他の物が視野に入ってもそれを無視する必要がある(選択的注意)。これまで我々は眼球運動を訓練したサルにおいて大脳前頭眼野のサッケード抑制機能を電気生理学的に解析し、その部位に注視中に強い持続発火を示す注視ニューロンの存在を明らかにした。本研究は、前頭眼野とその主な投射先である上丘において電気生理学的方法と解剖学的方法を組み合わせ、この眼球運動の抑制と注視に関わる構造基盤を明らかにしようとするものである。注視は注意の外界への物理的表現と見なせるため、眼球運動の抑制と注視の過程に関わる一連の神経機構の解明は、注意の脳内機構を探る足がかりになる。
注視中はサッケード以外の眼球運動、特に滑動性眼球運動も抑制されている可能性があると考えられる。そこで平成22年度は、前頭眼野の微少電流刺激を行い滑動性眼球運動の抑制について検討した。刺激部位では、まず電気誘導性サッケードの閾値と、視覚誘導性サッケードの抑制の閾値を確認した後、滑動性眼球運動に対する刺激効果を調べた。その結果、電気誘導性サッケードが誘発される閾値より低い刺激強度で、滑動性眼球運動の発現が強く抑制されることがわかった。この抑制は、catch-upサッケードを伴わない滑動性眼球運動においても認められ、サッケードの発現を両側性に抑制する前頭眼野の抑制野では、滑動性眼球運動の発現も両側性に抑制されることが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 垂直性サッケードの神経回路:上丘から上斜筋運動ニューロンに至る経路2010

    • 著者名/発表者名
      伊澤佳子、杉内友理子、篠田義一
    • 雑誌名

      日本眼科学会雑誌

      巻: 114 ページ: 389

  • [学会発表] サッケード抑制に関わるサル前頭眼野注視ニューロンの活動2010

    • 著者名/発表者名
      伊澤佳子、鈴木寿夫、篠田義一
    • 学会等名
      第69回日本めまい平衡医学会総会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20101118-19
  • [学会発表] Suppressive effects of electrical stimulation of the frontal eye field on smooth pursuit eye movements in the monkey.2010

    • 著者名/発表者名
      Izawa, Y., Suzuki, H., Shinoda, Y.
    • 学会等名
      第33回日本神経科学大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-09-02
  • [学会発表] 前頭眼野による急速眼球運動および滑動性眼球運動の抑制2010

    • 著者名/発表者名
      伊澤佳子
    • 学会等名
      第4回生理学研究所Motor Control研究会
    • 発表場所
      岡崎(愛知県)
    • 年月日
      2010-05-29

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公開日: 2012-07-19  

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