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2010 年度 実績報告書

単一傍細胞刺激技術を用いた大脳皮質側方向結合の視覚情報処理における機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 21700433
研究機関大阪大学

研究代表者

田中 宏喜  大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 特任准教授(常勤) (40335386)

キーワード大脳皮質 / 局所回路 / 神経結合 / 傍細胞電気刺激 / 第一次視覚野 / 視覚
研究概要

大脳皮質の局所神経結合様式を詳細に記述することは、大脳皮質で情報処理が行われる仕組みを理解するうえで不可欠である。しかしながら、現在これを調べる主要な手法である相互相関解析は、共通入力成分や同期入力成分のため十分な解像度が得られないという問題がある。この問題を解決するために今回われわれは単一細胞に電気刺激を施し、それにより生じた細胞活動が、周囲の細胞のスパイク活動にどのような影響が生じたかを刺激電極の近傍に配置した32チャンネル多点電極アレイで測定する手法を確立し、これをネコ大脳皮質第一次視覚野に適用する研究を行った。8個の細胞で単一細胞の刺激に成功し、これらの細胞を電気刺激しているとこの近傍の合計248個の細胞活動を解析した。興奮性細胞を電気刺激して誘発したスパイクが、周囲の細胞のスパイク発火を生じさせる確率を見積もったところ、平均で2%程度であり、この上昇は統計的に有意なもとのみなすことができた。また、この確率は刺激細胞と、周囲細胞の受容野特性が似ているほど高いことがわかった(p<0.05)。抑制性細胞を電気刺激して誘発したスパイクが周囲の細胞のスパイク発火をキャンセルする確率は0.6%程度であったが、この確率の大きさは、電気刺激した抑制性細胞と周囲細胞の受容野特性の類似性には依存していなかった。以上の結果は、皮質の単一細胞が周囲の細胞のスパイク活動に、弱いながらも十分影響を及ぼし、この影響は受容野特性の類似性に依存していることを示している。これらの成果は、平成22年度の国内学での学会や招待講演で発表するとともに現在論文執筆中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Inputs from single neurons in the visual cortex affect spike-timing of locally connected neurons but do not modulate their firing rate and sensory tuning curves2010

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, et al
    • 学会等名
      北米神経科学学科
    • 発表場所
      サンディエゴ(USA)
    • 年月日
      2010-11-15
  • [学会発表] Inputs from single neurons in the visual cortex affect spike timing of locally connected neurons but do not modulate their firing rate and sensory tuning curve2010

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, et al
    • 学会等名
      日本神経科学学会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-09-02
  • [学会発表] コントラスト空間分布を効率よく伝える機構としてのV1野高次受容野構造2010

    • 著者名/発表者名
      田中宏喜
    • 学会等名
      電気情報通信学会ニューロンコンピューティング研究会
    • 発表場所
      京都大学(招待講演)
    • 年月日
      2010-07-15

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公開日: 2013-06-26  

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