瞬目条件反射学習において、小脳皮質と小脳中位核の両方が必要であることが知られている。しかし、それぞれでどのような可塑的変化が起こり、それらがどのように学習・記憶に関わっているかはほとんど解明されていない。瞬目条件反射学習における小脳核、小脳皮質の役割を解明するために以下の2つの研究を行った。 (1)瞬目条件反射学習中のマウス中位核から神経活動を記録し、学習による変化を観察した。その結果、学習前のマウスでは、無条件刺激である瞼刺激には反応し活動上昇を示す細胞が存在するが、条件刺激である音刺激に反応する細胞は見られなかった。一方、学習を行ったマウスでは、瞼刺激に反応する細胞は音刺激にも反応していた。 (2)高速度ビデオカメラを用いて瞼動作を詳細に観察する系を立ち上げた。学習とともに獲得した反応は大きくなっていくことが確認できた。また、小脳皮質の除去を行うことで、獲得した反応が小さく潜時の短い反応になることが観察された。
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