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2010 年度 実績報告書

マウスモデルを用いたオートファジー遺伝子異常に起因する疾患病因の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21700448
研究機関大阪大学

研究代表者

齊藤 達哉  大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (60456936)

キーワードAntophagy / Innate imunnitv / Interferon / Membrane traffic / Lipid droplets
研究概要

本年度は、核酸を認識するパターン認識受容体Toll-like receptor(TLR)7/9のシグナル伝達経路の解析結果を報告し、また、現在までに報告されているオートファジーと炎症との関係を取りまとめた総説を発表した。
自然免疫機構は、パターン認識受容体を介して核酸などの病原体構成成分を認識し、宿主を病原性微生物の感染から守っている。また、宿主の核酸が自然免疫機構によって認識されると、自己免疫疾患になることが知られている。よって、核酸が誘導する自然免疫応答のメカニズムを明らかにすることは、感染症と自己免疫疾患を理解するために重要である。
形質細胞様樹状細胞(以下pDC)は、TLR7/9によりI型インターフェロンを誘導することで、感染防御応答に関わっている。過去の報告から、pDCからのI型インターフェロンの産生にはオートファジーが関わっていること,そしてオートファジー関連因子は脂肪滴(Lipid droplets)の形成に関わっていることが明らかになっている。そこで、脂肪滴のI型インターフェロン産生への関与を検討した。インターフェロン誘導性因子であり、脂肪滴上に局在するViperinに着目し解析を行ったところ、Viperin欠損マウスより調整したpDCでは、TLR7/9リガンドによって誘導されるI型インターフェロンの産生が顕著に減少していることが明らかとなった。一方で、ViperinはRIG-like receptorによって誘導されるI型インターフェロン産生や、TLRやNod-like receptorを介した炎症性サイトカイン産生には関わっていなかった。ViperinはTLR7/9の下流でシグナル伝達因子として働くIRAK1とTRAF6に結合し、これらの因子を脂肪滴周辺にリクルートしていることが明らかとなった。Viperinを欠失した細胞では、TRAF6に依存するIRAK1のK63リンクのユビキチン化が減弱しており、I型インターフェロン産生異常の原因と考えられた。以上の結果から、pDCにおいては、核酸を認識するリソソーム上のTLR7/9からのシグナルが、脂肪適の表面を中継点として転写因子IRF7に伝わり、I型インターフェロンの産生が誘導されると考えられる。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Antiviral protein Viperin promotes Toll-like receptor 7- and Toll-like receptor 9-mediated type I interferon production in plasmacytoid dendritic cells2011

    • 著者名/発表者名
      Saitoh T, et al.
    • 雑誌名

      Immunity

      巻: (印刷中 In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Crohn disease : A current perspective on genetics, autophagy and immunity2011

    • 著者名/発表者名
      Stappenbeck TS, et al.(All authors are equally contributed)
    • 雑誌名

      Autophagy

      巻: (印刷中 In press)

  • [雑誌論文] Regulation of innate immune responses by autophagy-related proteins2010

    • 著者名/発表者名
      Saitoh T, Akira S.
    • 雑誌名

      J Cell Biol.

      巻: 189 ページ: 925-935

    • 査読あり
  • [雑誌論文] インフラマソームを介した炎症性サイトカインIL-1βの産生2010

    • 著者名/発表者名
      齊藤達哉、審良静男
    • 雑誌名

      医学のあゆみ

      巻: 234 ページ: 379-385

  • [雑誌論文] インフラマソームによる炎症性サイトカインIL-1βの産生制御2010

    • 著者名/発表者名
      齊藤達哉、審良静男
    • 雑誌名

      実験医学

      巻: 28 ページ: 1869-1873

  • [学会発表] オートファジー関連因子Atg9aの欠失は二重鎖DNA刺激による膜蛋白質STINGの移行を介した自然免疫応答を促進する2010

    • 著者名/発表者名
      齊藤達哉、藤田尚信、吉森保、審良静男
    • 学会等名
      第62回日本細胞生物学会年会
    • 発表場所
      大阪、日本
    • 年月日
      20100519-20100520
  • [学会発表] 形質細胞様樹状細胞によるTLR7/9を介したI型Interferonの産生においてユビキチンとオートファジー関連因子が果たす役割2010

    • 著者名/発表者名
      齊藤達哉、審良静男
    • 学会等名
      BMB2010(第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会 合同大会)
    • 発表場所
      神戸、日本
    • 年月日
      2010-12-08
  • [学会発表] Regulation of nucleic acid-induced innate immune responses by membrane trafficking2010

    • 著者名/発表者名
      Saitoh T, Fujita N, Yoshimori T, Akira S
    • 学会等名
      The 14th International Congress of Immunology
    • 発表場所
      Kobe, Japan
    • 年月日
      2010-08-27
  • [備考]

    • URL

      http://hostdefense.ifrec.osaka-u.ac.jp/ja/index.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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