遺伝子改変マウス作製のトランスクロモソミックマウス作製技術の向上を目指した。この技術は染色体工学と発生工学を融合して鳥取大学で開発した技術であり、これまでにヒト抗体産生マウス樹立などの成果を出している。今年度は、人工染色体(HAC)ベクターの細胞への導入がよりスムーズに行えるよう、微少核細胞融合法など、種々の染色体移入法の条件検討を行った。これによりマウスES細胞のHACベクターを効率的に導入することが可能になり、トランスクロモソミックマウス作製技術を遺伝子改変マウス作製技術として汎用性を高める為に貢献できる。また、エピジェネティックスの変動を解析するために、ポリコーム複合体の構成因子の1つであるCbx6遺伝子のコンディショナルノックアウトマウス作製を試みた。第1エクソンを欠損させるようにloxPではさみ込むようにデザインしたターゲティングベクターをC57B/6由来のES細胞に導入してキメラマウスを作製し、導入遺伝子の生殖系列伝達も確認した。
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