超音波によって化学反応の時間空間的制御を生体内で行うことを目的とした研究。そのための方法として強力超音波の音場制御を動的(アクティブ)変化させることができる画期的な手法を提案した。 初年度はシミュレーションによるアレイの設計から研究を始め、リニアアレイによる平面上の音場および化学反応制御実験を行う。フレネルレンズパターンアレイを用いた収束音場形成をシミュレーションし、良好な結果を得ることができた。実際にフレネルゾーンパターンを圧電高分子フィルムに実装したリニアアレイでの実測にも成功した。実測の結果のパターニングしていない平面型の超音波素子にくらべて、70パーセント程度のエリアに収束させることに成功した。化学反応の制御1を実際に行うことはしていないが、音場制御の原理的な確認はシミュレーションおよび実測において検証できており、初年度の目的をほぼ達成したと言える。
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