超音波の集束点をPCディスプレイ上に表示し、音場制御可能空間内の任意の点でマウスクリックするとその点で音波が集束するアレイパターンを形成するソフトウェアを構築した。 実際にリニアアレイトランスデューサにフレネルゾーンを適用させ、超音波を任意の位置に集束できるのか検証し、PCディスプレイ上と同様の集束音場を形成することを確認した。 このアレイトランスデューサで生体組織中の細胞加熱が可能どうか検証した。生体組織として鶏肉のササミを使用し、加熱によって組織の温度が変化するかどうかを測定し、さらに細胞が加熱によって変色するかどうかを確認した。その結果、生体組織の加熱は確認できたもののその熱によって細胞が熱凝固するまでには至らなかった。 集束点の空間的な制御は基本的に可能であったが、リニアアレイの素子が高分子の圧電材料だったため超音波強度を上げることが難しかった。この素子をセラミック製に変えることで音圧の問題を克服することで、目的である生体組織の熱凝固を空間的に制御することが可能となると考えられる。そのためのソフトウェア構築および基本的なシステムを設計・製作することが出来た。
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