研究概要 |
本研究は,(1)早産児の入院期間中・1-2ヵ月時点における自発運動の解析,(2))入院期間中から退院後の期間を含めた早産児の睡眠研究,(3)早産児のフォローアップによる発達状態の確認、および発達予後と(1)(2)との関係の検討、NICUにおける発達支援の在り方の模索により構成される. 平成21年度は,(1)の研究を立ち上げて,研究をスタートさせた.本年度も県内の病院と連携をとり,医療機関スタッフの協力を得ながら,早産児の入院中の自発運動,さらに満期後2カ月時点の2時点における自発運動の記録を継続して行った. また睡眠研究に関しては,昨年度、発達に問題のない2例の早産児の睡眠リズムの発達を,満期産乳児の発達と比較検討し,その結果を報告した.今年度は,発達に問題のない早産児を対象にするだけでなく,早産児に多く含まれる発達障害児やボーダーラインにある子どもも含めた睡眠リズム研究を実施した.具体的には,0~4歳までの早産児を対象としたアンケート調査を実施し,早産児の睡眠リズムの現状の把握を試みた.今回の研究対象とされた家族は327名であり,そのうち144通が回収された(回収率44%).対象児の中には,フォローアップ研究で発達障害が認められている子どもも含まれており,今後それぞれの早産児の睡眠リズムの分析と発達予後との関係について,分析を進める予定である.またアンケート調査には、NICUを通した育児支援の内容も盛り込み,今後,早産児の発達をどのように支援していくかを検討していくデータとして活用する予定である.
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