神戸大学大学院保健学研究科、同大学院工学研究科と連携して、本年度は以下3点について研究を進めた。(1)自閉症児及び定型発達児の音声データを採取した。神戸大学医学部附属病院小児科発達神経外来を受診する自閉症児及び保護者に対して、本研究について説明し、その後に本研究への参加意思を確認した。結果、自閉症児35名の音声データを採取した。また、神戸大学附属幼稚園及び同大学附属小学校に通う子ども及び保護者に対して、本研究について説明し、その後に本研究への参加意思を確認した。結果、定型発達児60名の音声データを採取した。(2)本研究のために、神戸大学大学院工学研究科との連携を通じて、独自の音声解析プログラムを開発した。さらに、より精度の高い解析が可能となるように、プログラムのバージンアップを積み重ねた。(3)日本小児科学会、日本小児保健学会、日本小児精神神経学会にて、本研究の成果について口頭発表を行った。発表後のフロアとのディスカッションを通じて、神経生理学的視点及び福祉工学的視点から新たに本研究を検討する機会を得ることができた。また、発表を通じて、本研究の新奇性、臨床への応用可能性について評価するコメントを受けた。次年度は本研究の最終年度であるため、論文執筆及び学会発表を重ねていくことを通じて、研究成果をまとめていく予定である(第114回日本小児科学会での口頭発表が採択済)。
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