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2010 年度 実績報告書

大腿義足による階段上昇動作の解析と歩行訓練への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21700569
研究機関国立障害者リハビリテーションセンター(研究所)

研究代表者

保原 浩明  国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所運動機能系障害研究部, 流動研究員 (40510673)

キーワード大腿切断 / 歩行 / リハビリテーション
研究概要

大腿切断者にとって日常生活で頻繁に遭遇する階段を、両脚で交互に昇ることは極めて難しい。この原因として、義足肢における立脚相の「膝折れ」と遊脚相の「つまずき」という二つの問題が挙げられる。しかしながら、極めて稀ではあるものの、手すりや高価な動力義足を一切使用せず、両脚で交互に階段を昇る大腿切断者も少なからず存在する。本研究の目的は、熟練した運動技能を有する大腿切断者の昇段動作を調べ、大腿切断者の歩行リハビリテーションや義足開発に有用な知見を得ることであった。
被験者は両脚で交互に階段を昇ることができる片側大腿切断者4名とした。切断原因は外傷が3名,感染症が1名であった。各被験者は切断後1年から43年が経過しており、断端長は長断端が2名、中・短断端が各1名であった。実験時には被験者が使い慣れた膝継手を着用させたが、4名全員が単軸で、且つ、膝継手の屈曲・伸展抵抗を最小の値に設定していた。運動課題は実験室内に設置した階段を利用し、一足一段法による昇段を行わせた。このとき、被験者の全身5箇所に体表マーカーを貼付け、2次元動作解析ソフトを用いて、昇段中の全身を毎秒30コマで撮影した。撮影した映像をもとに、矢状面における下肢関節角度の解析を行った。その結果、全被験者が立脚初期に膝継手を完全伸展位で固定することで「膝折れ」を防いでいること、そして健側で反動動作および底屈を行うことで「つまずき」を回避していることが明らかとなった。以上のことから、切断年数・断端長にかかわらず、膝継手特性および健側での補償動作を組み合わせることによって、大腿義足ユーザーが健常者と同様の両脚交互昇段を獲得できる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] エネルギー蓄積型疾走用足部の普及とランニング研究の動向2011

    • 著者名/発表者名
      保原浩明, 緒方徹
    • 雑誌名

      バイオメカニクス研究

      巻: 14 ページ: 110-116

  • [学会発表] 大腿義足歩行~平地から階段へ~2011

    • 著者名/発表者名
      保原浩明
    • 学会等名
      計測自動制御学会四国支部講演会
    • 発表場所
      香川大学工学部(香川県)
    • 年月日
      2011-03-18

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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