研究課題
本研究の目的は、視覚刺激がヒトの姿勢制御能力に及ぼす影響を評価する事である。立位保持や歩行などの課題遂行時に視覚刺激を提示して、それに対する被験者の応答をバイオメカニクスの手法を用いて詳細に評価する。視覚刺激の提示はバーチャル・リアリティの技術を用いて3次元的に行う。平成21年度には主として以下の成果を達成した。1. 準静的姿勢制御課題遂行時の姿勢動揺について、時系列データの画期的な解析手法を考案した。これは従来手法を拡張した斬新なものである。考案したアルゴリズムを説明した論文は既に国際誌に受理されている。2. ここで開発した手法を用いて、視覚バイオフィードバックの有無、及び聴覚バイオフィードバックの有無に伴う姿勢動揺の変化を定量的に評価した。その結果バイオフィードバックを与えた際には動揺範囲が小さくなるものの動揺速度は増加して、狭い領域内で小刻みな姿勢調整が行われる事が示された。この成果は既に国内誌に受理されているほか、国際・国内学会において発表した。3. バーチャル・リアリティの技術を用いて、3次元の仮想空間を構築した。具体的には現実的な商店街の町並みを作成した。また、この環境の中での買い物課題等を作成し、高齢者の認知能力の評価を行った。成果は国内学会に於いて発表した。更に、この立体仮想空間を姿勢制御や歩行能力の評価に拡張するシステムも構築した。4. その他、歩行動作に関する理論的な考察も進めた。成果は一編の学会発表、二編の論文として発表した。以上より本研究は当初計画を順調に達成しつつある。平成22年度以降にも研究を継続推進するための基盤を確固として構築する事が出来た。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件)
Gait and Posture 31
ページ: 400-402
システム/制御/情報 54((未定)(受理済))
体育の科学 60((未定)(受理済))
バイオメカニクス研究 14((未定)(受理済))