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2009 年度 実績報告書

外界との相互作用に関わる感覚運動系の脳調節メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 21700598
研究機関日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所

研究代表者

木村 聡貴  日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 人間情報研究部, 研究主任 (40447032)

キーワード伸張反射 / オンライン調節 / リアクション / 仮想力場 / リーチング運動
研究概要

日ごろの様々な身体運動に伴って(例えば,ボールを捕る時に)外界や物体との間に生じる力学的な変化に巧みに対応するためには,知覚や判断に基づく運動だけでなく,体性(固有)感覚入力から無意識的に短時間で実行されるリアクション運動,いわゆる伸張反射(以下,反射)を適切に調節することが不可欠である.本研究では,反射がどのような規範で調節されるのか,反射調節の脳情報処理の仕組みを解明してゆくことを目的としている.これまでの筆者らや他の研究から,反射はそれまでの経験(学習)を通して運動中の力学的状況を事前に予測することによって調節されることが知られている.このような反射調節の「予測性」に対して,本年度は,反射調節の「実時間性」に着目した研究を実施した.運動後半に力学的変化(右方向または左方向の仮想力場)を伴うリーチング連動を行う際,力場方向を視覚合図(矢印)によって運動開始前に提示すると,反射出力は予測に基づき力場方向に応じて調節された(例えば、肩屈筋反射は右力場の条件で増大した).次に,反射調節の実時間性を評価するために,連動開始前にわぎと力場と逆方向の矢印を提示し,運動開始後に正しい方向の矢印に切り替える条件を課したところ,非常に短い切り替え時間でも(切り替えから反射出現まで0.1秒程度.ごれは意識的な反応時間よりも短い),適切な方向へ反射の修正が起こり始めているごとが観察された.こめ結果は,反射出力が,事前の外界予測に基づくだけでなく,運動実行中の外界変化に対してオンラインで調節されることを示しており,運動中の不意の力学的変化に素早く柔軟に対応するうえで反射が重要な役割を演じていることを示唆している.今後は,本実験を元に,視覚フイードバック情報を操作して反射調節の空間特性を解明するとともに,脳磁気刺激法を用いて調節を司る脳領域を明らかにすることをめざす.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Online reflex gain setting to dynamical interaction during movement2010

    • 著者名/発表者名
      木村聡貴, 五味裕章
    • 学会等名
      脳と心のメカニズム 第10同冬のワークショップ
    • 発表場所
      ルスツリゾート(北海道)
    • 年月日
      2010-01-12

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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