研究概要 |
平成21年度は,本研究課題についての理論的基盤を固めるための文献資料収集を行った.同時に,小学校5年生1クラスを対象にフィールドワークを行った. 理論研究については,体育授業の特性の理解,特に体育授業と学習集団の形成に関する文献の収集を行った.学級経営については,学級経営の目的,学校教育における学級の意義および学級集団づくりの要点について,これまでになされた主張に関する資料収集を行うとともに,その整理に着手した段階である. フィールドワークについては,小学校5年生1クラスを対象に,ほぼ1年間,毎週1日のペースで教室に入り込んでデータ収集を行った.具体的には,朝の会,体育授業,帰りの会,学級活動の各場面における教師の言語的・非言語的行動を観察した.また対象学級の児童に対して,毎月1回,体育授業態度評価票(高橋ほか,1994)と学級集団意識調査票(日野ほか,2000)を実施して,児童の体育授業および学級集団に対する愛好的態度を調査した.同時に,学級担任であり体育授業者である教師には,随時,学級経営や体育授業に対する考え方や現状の確認をインタビュー形式で行った. 調査票により児童の心情的側面の実態を把握し,インタビューの内容を踏まえて授業場面で見られた教師の言語的・非言語的行動の具体的事実を分析し考察することから,体育授業を中核とした肯定的な学級集団の生成過程の特徴を明らかにするのが平成22年度の課題となる.
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