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2010 年度 実績報告書

セントラルコマンドがレジスタンス運動時の内分泌応答に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 21700661
研究機関立命館大学

研究代表者

後藤 一成  立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (60508258)

キーワードレジスタンス運動 / 同化ホルモン / 異化ホルモン / 乳酸 / 最大筋力
研究概要

昨年度の研究において、レジスタンス運動に伴う成長ホルモン(同化ホルモン)とコルチゾール(異化ホルモン)の分泌増大には、筋代謝物の蓄積に代表される「末梢性の要因」の影響が大きいことを明らかにした。一方、成長ホルモンやコルチゾールは運動、睡眠、食事などに影響され、1日の中で分泌量の変動が大きい「ストレスホルモン」として知られている。したがって、日内分泌変動の小さいホルモンの分泌応答に対する「中枢性の要因」と「末梢性の要因」の関与も検討することが必要である。そこで、健康な男性10名を対象に、全身への9種目のレジスタンス運動を負荷し、各種ホルモンの分泌動態や最大筋力の変化を検討した。その結果、レジスタンス運動に伴い血中乳酸濃度は顕著に増加したが、その増加の程度に個人差がみられた。また、運動終了後8時間まで経時的に採血し、各種ホルモンの血中濃度の変化を検討したところ、運動による血中乳酸濃度の変化とフリーテストステロンおよびインスリン様成長因子1(IGF-1)濃度の変化の間に、有意な相関関係はみられなかった。フリーテストステロンやIGF-1は成長ホルモンと並ぶ代表的な同化ホルモンであるが、レジスタンス運動や食事に対する分泌変動は比較的小さい。また、レジスタンス運動に伴う血中乳酸濃度の変化は筋代謝物の蓄積の程度を反映し、ホルモンの分泌増大を惹起する「末梢性の要因」として位置づけられる。したがって本研究の結果は、(1)レジスタンス運動後の同化・異化ホルモンの分泌増大に対する中枢性(セントラルコマンド)と末梢性(筋代謝物の蓄積)の要因の貢献度はホルモンの種類によって異なること、(2)テストステロンやIGF-1の分泌増大に対する末梢性の要因の関与は小さく、中枢性の要因の関与が大きいことを示唆するものである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Hormonal responses to resistance exercise after ingestion of carnosine and anserine.2011

    • 著者名/発表者名
      Goto K
    • 雑誌名

      Journal of Strength and Conditioning Research

      巻: 25(2) ページ: 398-405

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A single versus multiple bouts of moderate-intensity exercise for fatmetabolism.2011

    • 著者名/発表者名
      Goto K
    • 雑誌名

      Clinical Physiology and Functional Imaging

      巻: 31(3) ページ: 215-220

    • 査読あり
  • [学会発表] 1日2回のトレーニングによるオーバーリーチングが内分泌応答に及ぼす影響2010

    • 著者名/発表者名
      後藤一成
    • 学会等名
      日本体育学会第61回大会
    • 発表場所
      中京大学(東京都)
    • 年月日
      2010-09-10
  • [図書] 第6章 筋力トレーニングの実際「スポーツサイエンス入門」編者.田口貞善、矢部京之助、伊坂忠夫2010

    • 著者名/発表者名
      後藤一成
    • 総ページ数
      254
    • 出版者
      丸善株式会社

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公開日: 2012-07-19  

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