本研究は成長期野球選手の投球障害予防を目的に、投球の加速運動に関与する主な関節運動である股関節内転、体幹回旋、肩関節内旋、肘関節伸展の角度変化量や運動速度とボールに与える力(手加速度で代用)の相関を分析し、中学生と大学生で比較した。中学生で手加速度と有意な相関(p<0.05)が認められたものは体幹左回旋角度変化量、肘伸展角度変化量、肩速度、肘速度であり、大学生では、股関節速度、肘速度だった。中学生が大学生と比較して、上肢関節に依存している傾向が示唆された。また股関節運動ではなく体幹回旋運動が強調される傾向にあり、腰部への悪影響も危惧される。中学生への投球動作指導では股関節運動の活用が重要となる。
|