研究概要 |
本年は初年度であるため、まず直接的な「心疾患患者に対する支援プロジェクト研究」として、うつ病予防対策を中心とした海外での診療外の心理面支援活動を視察・情報収集した。その結果を日本におけるプログラムと比較検討するとともに、試験的に作成した患者啓蒙用リーフレットを配布し、その必要性・有用性に関する予備調査を実施した。さらに、これらの結果に基づき本調査用のプログラムおよびリーフレットを完成させた。 次に、「循環器医療スタッフへのサポート強化に関する研究」の第一歩として、循環器領域における心理職の可能性と、他専門職からの、こころの支援方法を検討した。具体的には、循環器領域における心理療法の応用と実践を紹介し(第66回日本循環器心身医学会.抄録集,p.29,2009)、論文発表した(Journal of Clinical Rehabilitation vol.18 (11)2009;1012-1015.)。更に他の専門医療職からのこころの支援方法として有用な情報をテキストにまとめた(リハビリ診療トラブルシューティング(上月ら,2009)/循環器臨床サピア4.(長山ら,2009))。また循環器医療における心理職とその活用のパネルディスカッションを企画するとともに(JJCR.Vol.14p.S122,2009)、従来の支援方法に固執することなく、他職種とともに見直し(第15回日本心臓リハビリテーション学会・ラウンドテーグルディスカッション,2009)、支援方法の1つの方向性を見出した(第6回循環器看護学会;抄録集p.45,2009)。 さらに他職種からのニーズが高かった認知症について講演(第15回日本心臓リハビリテーション学会,2009)、その内容をまとめるとともに(JJCR.Vol.15(2);in press)、精神面への支援を中心とした支援検討会などを通し、実際の支援システムを構築しつつ、本調査開始の準備を整えた。
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