研究概要 |
研究2年目である本年は、直接的な「心疾患患者に対する支援プロジェクト研究」として、試験的に作成した患者啓蒙用リーフレットの必要性・有用性に関する予備調査結果、非常に高い必要性と有用性があったことを報告する(第75回日本循環器学会総会・学術集会;抄録集p.158)とともに、結果に基づき改訂版12ページのパンフレットを完成させた。またうつ病予防対策を中心とした心理療法を組み合わせ、他職種スタッフと検討し、日本の循環器領域でのうつ病予防プログラムとして有用な形にすることが重要であると報告するとともに(日本自律訓練学会第33回大会(抄録p.26))、上記リーフレットの2段目の支援として、積み重ね方式での実践プログラムである、「こころからの健康づくり」プログラムおよびその配布用ミニテキストを完成させ、プログラム評価研究への準備を整えた。 次に、「循環器医療スタッフへのサポート強化に関する研究」の第一歩として、循環器領域における心理職の可能性と他専門職からのこころの支援方法を検討する、「サポート検討会」をパイロットスタディとして年に5回実践し、その成果と内容の一例を報告するとともに(Heart nursing. Vol23 (11) p.94-98とp.98-103)、多方面で講演した(Sapporo Live Demonstration Course,)循環器疾患患者への精神的支援に関する研究モデルの開発研究会,船橋ハートクラブ、など)。また循環器領域での支援で考慮すべき認知症についてまとめた(JJCR. Vol. 15(2) ; p.232-235)。さらに昨年まで同様、心臓リハビリテーション指導士養成のテキスト(指導士認定試験準拠-心臓リハビリテーション必携)の心理関連部分を担当し知識普及に努めた。 最後に研究の一環で得た情報をリエゾン研究会で報告したとともに、「心疾患予備軍へのサポートシステム」の一環として、小児期からの健康づくりと肥満、心疾患の予防についてまとめ(エピソードでつかむ児童心理学p.55-68)、心疾患が多くみられる老年期での予防活動として市民公開講座を担当した(府中市市民公開講座)。
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