研究課題/領域番号 |
21700674
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研究機関 | 聖学院大学 |
研究代表者 |
長谷川 恵美子 聖学院大学, 人間福祉学部, 准教授 (00334251)
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キーワード | 心臓リハビリテーション / 循環器・高血圧 / 精神症状 / 抑うつ症状 / ストレス |
研究概要 |
本研究は患者自身への直接的アプローチと、その家族や医療スタッフの支援者側の両面に働きかける間接的アプローチの強化の双方向からの「新しい多面的支援システム」を構築することを目的としている。研究3年目である本年は、直接的な「心疾患患者に対する支援プロジェクト研究」として、改訂を終えた患者啓蒙用リーフレットの活用システムについてのパイロットスタディを報告するとともに(日本心臓リハビリテーション学会誌2011.16(2)p.s137)、心臓リハビリテーション指導士講習会や認定看護師教育課程慢性心不全看護コースでの教育機会で、患者教育の重要性とリーフレットの活用方法を広めるとともに、リーフレットの活用効果に関する本調査を継続中である。また国際的に有用である心理療法を組み合わせ、他職種スタッフとのコラボレーションを活かしたうつ病予防目的の日本における循環器領域でのうつ病予防プログラムとその教育用配布テキストを完成させ、その実践システムを整えるとともに(第6回生活習慣病認知行動療法研究会抄録p.19)、プログラムの本調査参加者募集を開始した。 また循環器医療スタッフへのサポート強化に関する研究については、システムの実践上課題となった、特にプライマリーケアとして、(1)適切なスクリーニングおよびフィードバックシステム、(2)適度で配慮ある情報提供、(3)適切な対応の3点に対し、いかに他職種で分業・連携し継続的な支援につなげるかという具体的な実践システムを報告した(第68回日本循環器心身医学会抄録p.36)。最後に「研究3:心疾患予備群への支援の実践と有効性に関する研究」については、昨年度に続き、心疾患予備軍への試験的介入を継続しデータを収集中である。なお各研究で得た情報を「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2012年改訂版)にまとめた(in press)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究における2研究と3プロジェクトは、すべて医療機関の協力を十分得ながら、非常に順調に問題なく進行中であり、最終年度にむけての介入効果の検討を残すところのみとなっている。成果の還元については、ガイドラインの改訂作業でも心理部門が充実するなど予想以上に成果は活かされているものの、妊娠に伴う体力的な制限があり、雑誌論文などへの投稿作業がやや遅れていることから、(2)「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度にむけて、本年度までに、他の専門職と議論を重ね組み立てられた「こころからの健康づくり」プログラムを継続運用しつつ、そのシステムを最終調整しながら、2研究3プロジェクト、それぞれについての実践例および期間を増やし、その効果を検証し、結果をまとめる。(大幅な変更はない予定である)。
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