研究概要 |
本研究は、心疾患患者と支援者側の双方向からの「新しい多面的支援システム」の構築を目的としている。本年は患者側への支援として、心臓リハビリテーションにおける精神症状のスクリーニング方法とその後のサポート方法を中心に本システムの有効性を実践報告し(長谷川 他、第76回日本循環器学会抄録集p.354,2012,第2回コメディカル奨励賞受賞)、支援者側への支援として、他職種に関連するシステムと必要な情報および研修内容を、日本心臓リハビリテーション学会(第18回抄録集, p.S42、2012)で報告し、その学会誌(長谷川ら、JJCR.18(1),2013)にまとめた。なおすでに完成したなお他職種へのサポートについては、実際に本システムを利用した看護職側からの実践研究が進行中であり、日本循環器心身医学会(第79回抄録集,p.44))などで報告されている。 また心疾患患者に対する診療外の心理面支援活動に関するエビデンスを整理し、日本心臓リハビリテーション学会での世界の包括的プログラムを紹介するシンポジウムにて報告し(第18回抄録集,p.S34,2012)、現在実践中のサポートと比較検討しながらその有用性について報告した(第18回抄録集,p.S31,2012)。 なおこれらの調査研究の一部を2012年改訂版心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(班長:野原隆司:日本循環器学会HP)にまとめるとともに、本研究で実践したサポート関連ツールの公開の準備をすすめ、心臓リハビリテーション学会 (第19回抄録集,in press) で報告予定である。 最後に心疾患予備群への支援の実践と有効性に関する研究」については、昨年度に続き、心疾患予備軍への試験的介入を継続するとともに、そのニーズとシステム整備の問題点を整理し統合的なプログラムとして提案する予定である。
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