研究課題
現在の日本は少子高齢化社会であり、出生数の増加が課題である。これに加え、低出生体重児が増加傾向にあり、生まれてくる次世代の健康対策も必要である。出生体重の減少の原因には、妊娠前および妊娠中の母親の低栄養等があり、平成22年乳幼児身体発育調査結果によると母親の普段のBMIが低いほど、出生時の体重が低かった。このことからも、女性においては出産前からの生活習慣の改善が重要であることがわかる。そこで本研究では、若年女性の食事評価および栄養改善につながるアプローチ方法を検討することを目的とする。さらに若年期の食生活を評価するためには、対象者に負荷の少ないツールを検討し、参加意識を高めることも重要である。そこで、昨年度に引き続き、本年度は若年女性57名を対象として食物摂取頻度調査票(FFQ)を含む生活習慣調査、3日間の秤量法食事記録調査法(DR)および身体計測を実施し、生体指標として早朝第2尿と随時尿を採取し、食事評価、食塩摂取量の簡易的な測定方法の検討、身体計測実測値とボディイメージとの関連、栄養に関する情報源とボディイメージとの関連の検討を実施した。さらに、調査開始に先立ち、調査に関する倫理審査を受け、前期母親教室において妊婦を対象とした調査を行った。ここでも本研究に関するインフォームドコンセントを入手し、FFQを含む生活習慣調査およびボディイメージに関する調査を行った。この結果、若年女性において、客観的には問題がないにもかかわらず、自己の体型を過大評価する傾向がみられた。また減量経験は、やせの者(BMI<18.5)に比べ、普通体型(18.5≦BMI<25)の者においてその割合が多かった。以上の結果より、今後は客観的に自己の体型を認識し、適切なボディイメージを形成するための教育方法の検討が必要であることが示唆された。
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栄養学雑誌
巻: 69巻 ページ: 229-240