研究課題
高齢者にとって下肢の筋力は、自立度を維持するために重要である。その高齢者の筋力を安全に評価するためには、筋力との相関が高い筋量(筋横断面積)が有効と考えられる。そのような背景から、高齢者の標準的な下肢筋量や基本生活動作に必要な下肢筋量を検討することを目的とし、平成21年度は下記の事項の成果を挙げた。(1) 超音波筋量計測装置の改良現在開発しているリンク機構型・ポータブル超音波筋量計測装置の改善を試みた。要介護度を含む高齢者を負担なくかつ正確に計測できるように、超音波探触子の位置を検出するリンク機構や測定姿勢・補助具の見直しを行った。また、筋横断面画像の鮮鋭化や筋横断面積の精度を向上させるために、面積補正技術などの検討を行った。計測時に超音波探触子を体表に直接接触させるため、皮膚の歪みにより横断面画像が小さくなるという問題が生じたが、補正式を開発し適応することで筋面積の補正に成功した。(2) 高齢者の標準筋量値の作成自立して生活している中年齢者および高齢者男女250名の下肢(大腿部)の筋量をポータブル超音波筋量計測装置を用いて計測した。当計測装置がポータブルである利点を生かし、被験者が確保しやすい施設等に持ち運び筋量計測を行った。当研究以前に計測したデータも合わせ、年齢と筋量との関係から年齢別の大腿部筋量の標準値を求める式を男女別に作成した。尚、筋量は体型の影響を受けるため、身長と体重で補正した数値を用いた。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)
Conference proceedings : Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society. IEEE Engineering in Medicine and Biology Society
ページ: 428-431