研究課題
平成21年度は3次元加速度計を用いて、歩行走行活動とそれ以外の活動を分けることでより正確に身体活動強度を推定できる評価モデルを提案した。さらに、平成23年度は提案した評価法の妥当性について、二重標識水(DLW)法を用いた24時間のエネルギー消費量との比較により検討し、優れた妥当性を有していることを明らかにした。そこで、本年度の研究は、平成21年度と平成22年度に実施した研究成果に基づいて、小学生の肥満度(体脂肪率)と身体活動量の関係について横断的に検討することを目的とした。対象者は、小学生男女160名である。肥満度判定には、DXA法を用いて測定した体脂肪率(25%と30%をcriteriaとしてそれぞれ検討)を判断材料として、肥満児童とそうでない児童との境界値となる身体活動量について、3次元加速度計(1週間の装着)と活動記録(平日休日の計3日間)を併用して検討した。その結果、肥満かそうでないかの規定要因は、1日に中強度(3~5.9METs)の身体活動を最低でも60分実施しているかどうかが重要となることが示唆された。特に、高強度活動を積極的に実施することが、体脂肪率の抑制に寄与していることも明らかになった。本研究の結果は、各学校での体力・運動能力向上の取り組みを進める上で、どの程度の運動や日常活動をどれくらいの時間実施する必要があるかという推奨身体活動量の具体的な目安を、科学的根拠に基づいて提示できた点で重要な意義を有していると考えられる。ただし、本研究の課題は、女児40名と男児と比較して極端に数が少なかった点であり、今後さらに調査測定を進めた上でさらなる検討が求められよう。
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Journal of Physical Activity Health
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