研究課題
目的:本研究では、2型糖尿病肥満モデルKK/Taマウスの腎臓におけるAzgp-1の発現部位を特定し、Azgp-1の腎組織における発現部位や腎でのAzgp1の機能を解析することにより、肥満症・糖尿病(メタボリックシンドローム)に合併する慢性腎臓病(CKD)におけるAzgp-1の役割を検討する。方法:1.BALB/cAマウスにストレプトゾトシンを投与し1型糖尿病を惹起する。C57BL/6マウスを低脂肪食群と高脂肪食群に分ける。また、KK/Taマウスを脂肪代謝に関係するPPARのリガンドであるピオグリタゾン投与群と非投与群に分ける。2.尿アルブミン/クレアチニン比、体重、空腹時血糖、インスリン抵抗性などを経時的に測定し、統計学的に評価する。3.各グループの腎・肝・脂肪組織におけるAzgp-1、PPARγなどのmRNA・蛋白発現の差を検討する。結果:KK/Taの腎組織では、BALBcマウスと比較して尿細管上皮細胞においてAzgp-1蛋白の発現が有意に亢進していることを確認した。ストレプトゾトシンを投与したBALBcマウスでは、Azgp-1蛋白の発現増加は認めなかった。C57BL/6マウスの高脂肪食群では腎臓でのAzgp-1のmRNAの発現は低下していた。KK/Taマウスにピオグリタゾンを投与した群の腎組織では、Azgp-1の発現が上昇していた。以上の結果から、Azgp-1蛋白はメタボリックシンドロームモデルの腎組織において血糖とは関係なくその発現が増加し、腎障害の進展に関与している可能性が考えられた。
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