研究課題
目的:2型糖尿病腎症における肥満候補遺伝子Azgp-1の役割を検討した。方法:C57BL/6マウスを低脂肪食負荷群と高脂肪食負荷群、KK/Taマウスをピオグリタゾン投与群と非投与群に分け、腎組織におけるAzgp-1の発現を検討した。また、2型糖尿病を合併した患者群(30名)と健康成人群(5名)における尿中のAzgp-1蛋白濃度を測定した。結果:KK/Taマウスにおいて、近位尿細管上皮細胞にAzgp-1蛋白の発現上昇が認められた。高脂肪食負荷C57BL/6マウスでは腎でのAzgp-1のmRNA発現の低下傾向を認めた。一方、ピオグリタゾンを投与したKK/Taマウスでは、腎におけるAzgp-1の発現上昇が認められた。2型糖尿病患者群において、尿中Azgp-1蛋白濃度は有意に上昇しており、推定糸球体濾過量、尿中アルブミン/クレアチニン比、尿中NAG/クレアチニン比との相関関係を認めた。結論:Azgp-1は、糖尿病性腎症おいて近位尿細管上皮細胞に発現の上昇が認められた。また、2型糖尿病腎症患者における新規の尿中バイオマーカーとして有用である可能性が示唆された。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)
Am J Physiol Renal Physiol.
巻: (In press)
Nephrol Dial Transplant.
Nephron Exp Nephrol.
巻: 117 ページ: 124-132