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2010 年度 実績報告書

骨芽細胞分化制御におけるmicroRNAの関与とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 21700715
研究機関(財)岐阜県研究開発財団岐阜県国際バイオ研究所

研究代表者

伊藤 智広  (財)岐阜県研究開発財団岐阜県国際バイオ研究所, 健康有用物資研究部, 専任研究員 (30435854)

キーワード加齢・老化 / microRNA / 骨芽細胞 / 分化
研究概要

現在、3年間の計画のうち2年が経過したが、昨年度miR-141/-200aがDlx5を標的としていることを明らかにし、J.Biol.Chem.への報告(284(29),19272-19279(2009))、特許申請を行った。本年度も引き続き、アレイ解析で変動したmicroRNAの標的遺伝子について検討をを行った。
その結果、BMP-2刺激することで変動した9種類のmicroRNAうちの一つであるmiR-208が骨分化に関与する転写因子Ets1を標的遺伝子としていることを明らかにした。以下、結果について示す。BMP-2刺激後、miR-208は分化に伴い発現を低下させた。そこで、miR-208のPrecursorを遺伝子にリポフェクション法により導入し、分化指標であるアルカリフォスファターゼ(以下ALPと省略)活性を検討したところ、有意にALPの活性が低下した。この結果、miR-208の発現低下が分化に関与していることがアレイ解析の結果を含め明らかとなったことから、Sangar miRbaseおよびTargetScan5.1などのバイオインフォマティックス解析を行った。解析の結果、標的遺伝子として、V-ets Erythroblastosis Virus E26 Oncogene Homolog 1(Ets1)が候補とあがった。その後、miR-208を導入した細胞では、Ets1のmRNA発現は変化しないが、タンパク発現は低下することが解り、mRNAの分解を伴わないタンパク発現制御がmiR-208によって行われていることが明らかとなった。また、標的遺伝子であるEts1の非翻訳領域にあるmiR-208の結合領域を組み込んだセンサーベクターを用いたルシフェラーゼアッセイの結果から、発光レベルが有意に低下したことから、miR-208がEts1を標的遺伝子としていることを同定した。本研究結果については、J.Biol.Chem.へ報告(285(36),27745-27752(2010))した。
現在、さらにmiR-370,294,328がバイオインフォマティックス解析を行い、標的遺伝子候補をあげている。今後、これらについても標的遺伝子を明らかにし、miRNAによる骨芽細胞分化制御機構をさらに明らかにしていく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] MicroRNA-208 modulates BMP-2-stimulated mouse pre-osteoblast differentiation by direct targeting V-ets erythroblastosis virus E26 oncogene homolog 1.2010

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Itoh, Takeda Shu, Yukihiro Akao.
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry

      巻: 285(36) ページ: 27745-27752

    • 査読あり
  • [学会発表] microRNA-208によるBMP-2誘導マウス前駆骨芽細胞分化調節2010

    • 著者名/発表者名
      伊藤智広、竹田秀、赤尾幸博
    • 学会等名
      2010年度日本分子生物・日本生化学会合同大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      20101200

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公開日: 2012-07-19  

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