アンケート調査の結果、母乳育児専門家群と保健所勤務群では授乳に関する参考資料に違いがあり、その結果として授乳状況の観察ポイントや判断に違いがみられた。 そこで、母乳育児専門家が授乳中の母子のどこを観察しているか視線追尾システムで測定したところ、視線の移動が細かくなされ、児の喉元口元を中心に母子の全体を観察していた。また、PSI育児ストレスインデックスを使用して母親のストレス状況を調査したところ、母乳育児支援助産院への通院回数が増えるとストレスが小さくなった。 以上の結果から、母乳哺育の促進のためにはこれまでの乳幼児健診に加え、BFH施設や一部の助産院で行われているような実際の授乳現場における熟練者による適切な指導が必要であることが明らかとなった。
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