本研究の結果、障害者施設で働く者における筋骨格系障害の有訴率は64.3%であり、男女ともに腰背部痛が最も多く、その重症度が高い者は14.3%であった。また、筋骨格系障害の原因となるような不良作業姿勢の出現率は、6.8%であった。これらの作業姿勢は、主に「身だしなみ介助」、特に履物の着脱時に多く観察された。主観的な自覚症・愁訴状況を調査した結果、勤務後は、勤務前と比較して愁訴数、愁訴の強さが増加する傾向がみられた。労働適応能力に関して、製造業従事者との比較において有意差はみられなかったが、職業性ストレスの結果では、男女ともに「自覚的な身体的負担度」「職場環境によるストレス」が高い傾向がみられた。
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