平成22年度は、(1)平成21年度に収集・整理した戦前期のラジオ放送について資料を用い、前年の「ラジオの料理番組と主婦イメージ」(『vesta』76号)、「ラジオの料理番組とローカル放送」『vesta』77号)の内容をさらに発展させて、「ラジオの料理放送にみる「主婦」の統合と分断-1930年代を中心として」(『社会学部論集』51号)を執筆した。日本放送協会は女性の社会教育を目的とした「婦人・家庭向け」の番組を放送していたが、ここでは「料理献立」(1925年~1941年放送)をとりあげ、ラジオが聴取者とどのような関係を結んだのか、その際、家事にかかわる専門知がどのようにかかわったのか等をまとめた。 (2)1910年代から1920年代に開催された電気の博覧会における展示を分析し、そこで科学技術がどのように表象されたのか、それは日常生活のあり方とどのように交差したのか等について「電気博覧会における科学技術の表象と生活の科学化」(『生活デザイン研究』5号)としてまとめた。 (3)1924年に設立された家庭電気普及会(電気普及会)の機関誌の分析、および戦前期の婦人雑誌『主婦之友』『婦人公論』『婦人画報』の全記事から電気にかかわる記事を抽出し、その内容の分析を行った。
|