研究概要 |
住宅などの内装計画における設計側と居住者側の仕上がりイメージの相違を少なくするため,視覚的質感をわかりやすく表示するための客観的指標を提案することを目的とする。最終的には,色彩における標準白色版に相当するような「標準テクスチャー板」をもとに,光沢スケール,粗さスケールといった指標を提案することを試みる。 石膏や樹脂を用いてサンプルを試作しており,粗さに関する表面形状が精度よく再現できる見込みがたったことから,粗さスケールの検討を行い,サンプルの作成と評価指標としての反射指向特性の測定を行った。粗さを変化させた試料の測定にあたって,光源・測定部・試料台を自動で変角させる回転ステージを3軸組み合わせ,効率化をはかった装置で測定を行った。光沢を変化させた試料の測定にあたっては,偏光フィルターを入射面の平行方向および直角方向に設置し,鏡面反射成分と層内反射成分の割合が表面の平滑さや異方性との関連を整理した。 また,被験者を用いた視覚的質感の評価実験を行い,試料を提示する角度に応じて質感がどのように変化するか検討した。その結果,光沢と粗さの印象には一定の関連がみられることが把握できた。
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