研究概要 |
平成22年度の研究テーマは,「袖に発生するしわのモデルの一般化」であった.袖と腕のモデルとなる円筒を設定し,袖のモデルを圧縮すると二等辺三角形で構成される吉村パターンや台形で構成される一般化吉村パターンが発生するとして,袖と腕の空隙率や袖の圧縮率によってどのようなしわのパターンが発生するかを明らかにした既存研究を発展させる内容として,実際の袖に発生するしわにより近くなるよう,空隙率や圧縮率を自由に設定できるようにすること,しわの断面形状であるノード数を自然数に限定すること,しわモデルを形成する二等辺三角形や台形が不均一に発生できるようにすることを目的としていた.平成21年度に研究を遂行していた多面体を用いた縫合後の立体形状予測システムに袖のしわを発生するシステムを組み込み,着用し動作した状態の衣服形状を表示させることは,消費者にとって体形や動作に適合した衣服や見映えの良い衣服を選択する支援,促進になると考える. 具体的方法としては,既存研究で用いたプログラムを改良することを予定していたが,ソフトのバージョンアップに伴いプログラムの文法が大きく変化しており,既存のプログラムを新バージョンで作動させるための修正に多くの時間を費やした.平成23年4月にその修正が完了したため,本研究テーマの実施を平成23年度の研究テーマの実施と並行する.まずは空隙率や圧縮率を自由に設定できるようにするために,袖と腕のモデルとなる円筒の中心位置をずらすこと,円筒を楕円筒にすることに取りくむ.
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