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2011 年度 実績報告書

L-アスコルビン酸の転写調節機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 21700751
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

曽根 保子  お茶の水女子大学, 生活環境教育研究センター, 助教 (80452027)

キーワードL-アスコルビン酸 / ODSラット / デヒドロアスコルビン酸レダクターゼ / ビタミンCトランスポーター
研究概要

ビタミンC(L-アスコルビン酸)は生体内の有効なフリーラジカルスカベンジャーであり,これまでに疾病予防との関係について多くの臨床研究や学研究が行われている.体内では,ビタミンCがレドックスシステムに関与することで多くの遺伝子発現機構に影響を与える可能性が考えられることから,ビタミンCの必要量を詳細に知る上で,この機構を明らかにすることは極めて重要である・そこで,ヒトと同様に体内でビタミンC合成のできないODSラットを使用し,ビタミンC摂取レベルの違いによって,ビタミンCの体内輸送メカニズムに関連する遺伝子発現にどのような影響をもたらすかを検討した.また,樹立肝癌由来細胞HepG2を用いて,ビタミンCにより変動する遺伝子の転写調節因子の特定を行った。
試験にはODSラット(雄性)を用い,ラットに0,5,100mg/dayのAsAを投与し、組織中AsA濃度のほか、肝臓中の酸化型アスコルビン酸トランスポーター(GLUTs)、デヒドロアスコルビン酸レダクターゼ(DHAR)、グルタチオンレダクターゼ(GR)の発現量を測定した。また、その初代肝細胞を用いて、培養液中のビタミンC濃度をそれぞれ5mM,0.05mM,0mMとなるように調整し,37℃,5%CO_2下において48時間培養後,肝臓中のGLUTs,DHAR,GRの遺伝子発現量を測定した.さらに,樹立肝癌由来細胞HepG2を用いて,特定転写因子の免疫沈降アッセイを行った.
その結果,遺伝子発現では肝臓中のDHARの発現が無摂取群で増加し,100mg摂取群で減少した。これらの結果から,組織中AsA濃度は経口摂取量に依存し,組織中AsA濃度が低下した際にはDHARを介した酸化型ビタミンCの取り込みと細胞内のAsA還元能を上昇させることで肝細胞内のAsA貯留量を積極的に維持する可能性が示唆された.また,免疫沈降アッセイの結果より,ビタミンCレベルの変化により特定の因子とのインターラクションが認められた.現在,その遺伝子を特定中である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] The level of orally ingested vitamin C affected the expression of vitamin C transporters and vitamin C accumulation in the livers of ODS rats2012

    • 著者名/発表者名
      Yasuko Sone, et al.
    • 雑誌名

      Biosci Biotechnol Biochem

      巻: 75 ページ: 2394-2397

    • DOI

      10.1271/bbb.110312

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dose of 3-methylcholanthrene enhances vitamin C accumulation and mRNA expression of its transporter in the liver of ODS rats and in HepG2 cells2012

    • 著者名/発表者名
      Yasuko Sone, et al.
    • 雑誌名

      J Biochem Mol Toxicol

      巻: 25 ページ: 369-376

    • DOI

      10.1002/jbt.20403

    • 査読あり
  • [学会発表] Anti-oxidant/anti-inflammatory activities and total phenolic content of extracts obtained from plants grown in Vietnam2012

    • 著者名/発表者名
      Yasuko Sone, Joon-Kwan Moon, Truong Tuyet Mai, Nghiem Nguyet Thu, Eri Asano, Keiko Yamaguchi, Yoko Fujiwara, Yuzuru Otsuka, Takayuki Shibamoto
    • 学会等名
      International Conference on Food Factors
    • 発表場所
      台湾・Taipei International Convention Center
    • 年月日
      2012-11-22
  • [学会発表] 脂質代謝関連遺伝子FADS、PPARγの遺伝子多型が臨床指標に及ぼす影響2011

    • 著者名/発表者名
      曽根保子、園田麻里子、貴堂としみ、市育代、河原和夫、森田寛、近藤和雄、大塚譲、藤原葉子
    • 学会等名
      日本臨床栄養学会
    • 発表場所
      東京・都市センターホテル
    • 年月日
      2011-10-28
  • [学会発表] 日本人男性における脂質代謝関連遺伝子多型と臨床指標との関連性2011

    • 著者名/発表者名
      曽根保子、貴堂としみ、河原和夫、大塚譲、藤原葉子
    • 学会等名
      日本栄養・食糧学会
    • 発表場所
      東京・お茶の水女子大学
    • 年月日
      2011-05-15

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公開日: 2013-06-26  

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