研究課題
昨年度病態発症機序の一端を明らかとしたメタボリックシンドロームモデルラット(SHRSP・Z-Lepr^<fa>/IzmDmcr(SP・ZF))を用い、イソフラボノイドを豊富に含有する葛蔓エタノール抽出物負荷によるメタボリックシンドローム病態予防のメカニズムの一端を解明することを目的とした。5週齢SP・ZFを1週間予備飼育後、3群(負荷群(I群)、ペアフィーディング群(C群)、自由摂食群(FC群))に分け、6週間負荷実験を行った。その結果、摂食量の差に起因してFC群において他の2群より肝臓湿重量が有意に高値を示した。また、スーパーオキシド産生に関与する大動脈中NADPHオキシダーゼサブユニットタンパク発現量について、I群において有意に低値を示した。また、血清脂質、尿中酸化ストレスマーカーおよび大動脈中iNOSタンパク発現量についてI群にて有意ではないが、低下傾向が認められた。しかし、体重、血圧については差が認められなかった。以上の結果から、SP・ZFに対する葛蔓由来イソフラボノイド負荷は、エストロゲン様作用による血清脂質の改善および抗酸化作用が明らかとなり、その抗酸化作用の機序としては、NADPHオキシダーゼを介した活性酸素の抑制、iNOS由来のNOの過剰発現抑制によるONOO^<-・>の低下によると推察された。よって、イソフラボノイド含有葛蔓エタノール抽出物による血管内皮機能の改善への効果が期待され、それに伴うメタボリックシンドローム病態改善の可能性が示唆された。
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