研究課題
本研究の目的は、日常生活で慢性的に暴露される心理・社会的ストレスに起因したストレス性肥満の発症を予見できるプレバイオマーカーを見出すとともに、得られたマーカーを用いてストレス性肥満を未然に防ぐことができる食品由来因子を探索することである。床敷量を通常の1/20に減らした条件下で、3カ月間マウスを単独で飼育したところ、対象群である群飼育群(5匹/ケージ)と比較して、脂肪蓄積による肝臓の肥大を伴った内臓脂肪蓄積型の肥満が惹起されることを見出した。また、肥満惹起の伴い、肝臓中で脂質代謝関連の遺伝子発現が変化するとともに、トリグリセリドや総コレステロール、クレアチンキナーゼ等の血中生化学マーカーが変動していた。特に後者の血中指標は、ストレス性肥満を予見できるプレバイオマーカーとなりうる可能性ある。一方、様々な機能性を有することが報告されているビルベリーアントシアニンをマウスへ経口投与すると、速やかに体内に吸収されたことから、ビルベリーアントシアニンの日常的な摂取により、ストレス性肥満を予防できる可能性のあると考えた。また、マウスなどの夜行性の実験動物を用いて心理・社会的ストレスに起因した肥満発症に関する研究を推進する場合、明暗サイクル、すなわち実験動物の睡眠・覚醒サイクル(サーカディアンリズム)を考慮に入れて実験計画を立案すべきであるとの結果を得た。
すべて 2009
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