研究課題/領域番号 |
21700773
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
國政 和宏 武庫川女子大学, 国際健康開発研究所, 博士研究員 (50534020)
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キーワード | 血管新生 / レスベラトロールオリゴマー / 血管内皮細胞 / 管腔形成 / 固形がん / がん予防 / シグナル伝達 / 食品機能 |
研究概要 |
近年、レスベラトロールオリゴマーが様々な植物に存在することが報告されているが、その生理活性は不明な点が多い。それ故、レスベラトロールオリゴマーを含む植物資源は有効利用されていない。そこで本研究では、がんの悪性化に関わる腫瘍血管新生に対するレスベラトロールオリゴマーおよびそれらを含有する植物抽出物の作用を解析することを目的とした。昨年度は、インドネシア原産メリンジョ(Gnetum gnemon L.)の種子エタノール抽出物およびその主要構成成分gnetinC(レスベラトロールダイマー)の血管新生抑制作用をin vivo及びin vitroモデルで明らかにした。そこで本年度は、それらの血管新生抑制分子機序を解析した。その結果、メリンジョ種子抽出物及びgnetin Cは、1)VEGF及びbFGFが誘導するERK1/2のリン酸化は有意に抑制するが、VEGFR2およびSTAT3のリン酸化には影響を与えない(Western blot解析)、および2)細胞外マトリクス分解酵素であるpro*およびactive-matrix metalloproteinase-2レベルには影響を与えない(Gelatin zymography)、ことを確認した。また、MEK1/2阻害剤U0126を用いた検証実験により、メリンジョ種子抽出物やgnetinCのERK1/2抑制作用が、管腔形成の抑制や細胞生存率の低下の主要因である一方で、遊走抑制作用には全く貢献しないことが明らかになった(Kunimasa K, et al., Mol Nutr Food Res 2011)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
レスベラトロールオリゴー自体やそれらを含有する植物抽出物が一般的に販売されていない為、それらの入手が非常に困難であり、メリンジョ抽出物以外の研究が遅延している。一方で、メリンジョ抽出物やそのレスベラトロールダイマーgnetin Cに関する研究は順調に進展しており、現在、in vivoでがん抑制作用や転移抑制作用を検証している。
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今後の研究の推進方策 |
先の薬学会で、レスベラトロールオリゴーやそれらを含有する植物抽出物を豊富に所有する先生方と交流を深めることができ、もし可能であるならばそれらの素材を入手し、研究を展開していく予定である。また、メリンジョ抽出物やそのレスベラトロールダイマーgnetin Cに関しては、がん予防効果を検証する為にも、in vivoでのがん抑制作用や転移抑制作用を検証していく方針である。
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