研究概要 |
昨年度までに、インドネシア産メリンジョ(Gnetum Gnemon L.)の種子に多く含まれるresveratrol二量体、gnetin Cが管腔形成等の血管新生過程をresveratrolよりも低濃度で阻害すること (Kunimasa K et al, Mol Nutr Food Res, 2011)、及びgnetin Cやその配糖体を20%程度含むメリンジョ種子エタノール抽出物(Ethanol Extract of Melinjo Seeds: EEMS) が腫瘍増大や転移を抑制することを見出している。そこで本年度では、EEMSとgnetin Cの作用分子機序を解明する一端として、遺伝子発現情報解析の手法を用いて、EEMSとgnetin Cの標的分子の同定を試みた。 EEMS、gnetin C又はresveratrolで6時間処理したHT-29及びMCF-7細胞からmRNAを抽出し、DNAマイクロアレイ解析を行った。次に、EEMS、gnetin C及びresveratrolにより変動したプローブセットを用いて、Connectivity Map等の遺伝子発現情報解析を行った。その結果、EEMS及びgnetin Cは、topoisomerase I、GSK-3β、CDKs等の阻害剤と高い類似性があることが判明した。現在、EEMS及びgnetin Cがそれらの分子標的に作用するか否かを検証する実験を行っている。
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