本研究は、市民や大学生による河川整備プランのデザイン(仙台市における広瀬川と都市機能の共存)と、それらの実現性を裏付ける河川性魚類の基礎研究との往還に基づいて、大学(大学生)がデザインから実践に至るまでの過程に関与する、都市河川の持続的な活用のためのESDを提言、実践することを目指している。今年度は、まず、都市と自然環境が共存する街づくりを実践する先行事例として、岐阜県郡上八幡市、および北海道知床半島を視察し、広瀬川に取り込める要素を考察し論文に内容を纏めた。また、気仙沼市教育委員会が刊行した気仙沼ESD共同研究紀要に、これまでの二年間のESD研究活動(本活動)の論点を公表した。これにより、広瀬川の河川整備を教育との関係からどのように進めるか、ある程度の方向付けができたと考える。さらに今年度は、国外でエコツーリズムやサケ科魚類を用いた環境教育、レクリエーションフィッシングを推進する先行事例として、オレゴン州立大学およびOregon Cooperative Fish and Wildlife Research Unit等を訪れ、情報収集・情報交換活動を行った。また、都市と自然環境が共存する河川環境を具現化するための基礎研究としてサクラマス等のサケ科魚類の行動・生理実験を行い、成果を論文に公表した。さらに、これらの情報を他の広瀬川で活動する団体と共有するため、広瀬川を活用したまちづくりワークショップと題したワークショップを開催した。
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