研究概要 |
1. ICTを活用した理科教育教材の開発では,力学,波動及び電磁気分野の教材開発を行った。力学分野では,摩擦のない世界を,場所を問わずに手軽に再現できるようなガラスビーズとアクリル板の実験装置と,デジタルカメラ・分析ソフトを活用した2次元の運動概念形成のための教材および教授法の開発を行った。波動分野では,高分解能のデジタルカメラを用い,通常のデジタルカメラでは再現できなかった定在波が伝わる様子を視覚的に理解できるような教材画像を作成した。また,新学習指導要領では,小学校から電磁気分野が増えたため,例えばコンデンサーの蓄電・放電などをITセンサーと分析ソフトを活用することで,既存の実験にはない,リアル・タイムで場所を選ばず実験を行うことが出来るような教材を開発した。 2. 地域の特性に合わせた理科支援を行うために,中等教育の教員および教員志望の学生を対象に,ICTを活用した理科教授法の研修会を実施した。また,これらのITセンサー類を研修会後に貸し出した。実際に学校現場で活用し,その成果と課題を持ち寄ることで人的なネットーワークの構築と,現場に即したデーターベースの基盤となることであるだろう。 3. 物理教育の国際会議に出席し,研究発表および安価で持ち運び可能な教材を提示するワークショップを実施した。また,国際交流の成果を踏まえ,2月に本学でICTを活用した理科教育のシンポジウム(継続3年目)を開催し,初等・中等教育の教員および教員志望の学生らに広く研修の機会を提供した。
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