研究概要 |
2009年9月16日~21日まで,ザンビア共和国のセントラル州,コッパーベルト州において調査を実施した.ザンビア科学教員5名、ザンビア教育省教員養成担当者1名,国際協力機構専門家2名ヘインタビューし,学校を7校訪問し教育環境の調査と授業の観察を行った. 調査の結果,ザンビア授業研究支援プロジェクト(SMASTE)による教員研修を明らかにした。授業を教員に公開し、その後授業内容について検討を行う研究授業の方法で行われる研修であり、近隣の教員の参加の例は少なく、校内の教員のみでの実施がほとんどであることが明らかとなった。 研修へのニーズに関しては,中等教育段階の学校5校を訪問し、科学教員インタビューをして明らかにした。科学教員が3ヶ月前にマレーシアRECSAMで研修で受講した理科教育の学習理論である構成主義的学習論や協同学習に関する研修内容に関して、教員自身の評価は高かった。研修内容を,他の教員へ紹介するなど一定の効果も明らかとなり,理科教育への学習理論への研修ニーズがあることが明らかとなった.一方,これらの研修を受けた教員の行う授業の観察においては,研修受講後の3カ月しかたっていないこともあり、研修で得た理科教育の学習理論の知識やスキルの活用は見られなかった. 教員の科学の授業に関する環境としては、非常に実験器具が乏しいこと、人口密度が低く、都市部を離れると教員が集まり研修を行うことが難しい状況が観察された。
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