研究課題/領域番号 |
21700792
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
畑中 敏伸 東邦大学, 理学部, 准教授 (30385942)
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キーワード | 科学教育 / 教師教育 / マレーシア / アフリカ / 国際協力 |
研究概要 |
本研究は、日本のODAによるアフリカ科学現職教員の研修受け入れ国に関する比較を行い、アフリカ科学現職教育を、日本で行うべきか、他国で行うのか、それぞれのメリットやデメリット、実施上の考慮すべき点を明らかにすることである。 本年度は、これまでのザンビア及びケニアの現地調査の結果を踏まえ、マレーシアにある東南アジア教育大臣機構(SEAMEO)の運営する東南アジア理科数学教育センター(RECSAM)における研修内容と方法及び評価に関する調査を行った。RECSAMでは、13名のアフリカ理科教員を対象とした初等理科に関する研修を2011年10月3日~5日まで観察調査し、2012年3月5日~9日まで関連資料収集と研修担当者へのインタビュー及び2012年度の調査に関する打ち合わせを行った。 研修は、理科の教育方法や学習評価に関するものを主としており、クラスサイズの大きい場合、安価な材料を用いた教材作成、などアフリカの教育事情を反映したものであることが明らかとなった。参加者は、11名が男性、2名が女性、40代が最も多く、大学や教育省など教員養成や教員の指導的立場にある人で、研究の経験を有すると回答した人が11名であった。また、参加者の研修内容に対する評価はおおむね高いことが明らかとなった。 一方、理科の具体的な単元を取り上げる、教材例を紹介する、子どものミスコンセプションを示す、具体的な発問を考えるなど、理科の教育内容との結びつきが乏しいとも考えられるため、この点においての追加的な調査が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マレーシアにある東南アジア教育大臣機構(SEAMEO)の運営する東南アジア理科数学教育センター(RECSAM)における、中等理科及び初等理科に関する研修調査を継続的に行うことができているため。
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今後の研究の推進方策 |
平成21、22年度のアフリカのザンビア及びケニアでの現地調査、平成23年度のマレーシアにある東南アジア教育大臣機構(SEAMEO)の運営する東南アジア理科数学教育センター(RECSAM)における研修内容と方法及び評価に関する調査研究に基づき、研修プログラムを作成しRECSAMで実践する。この実践調査に基づき、アフリカ科学教員を対象とする研修に関する方向性を解明する。調査結果は、アフリカ科学教員研修を実施しているマレーシア、フィリピン、日本の研修の分析に役立たせる。
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